2次審査結果(11/25更新)

 本アイデアコンペは、これまで大阪のまちを水害から守ってきた三大水門のうち、安治川水門について、そのリニューアル事業の一環として企画された、大変ユニークで珍しいアイデアデザインコンペでした。また、このようなコンペを大阪府という自治体が中心となって関係団体と共同主催し、今後の設計やまちづくりを考えるヒントにしていくというプロセスも、公共事業としては新しい試みとなっています。

 また、水門単体だけでなく、弁天町周辺のまちづくりへの提案や安治川に沿った河川軸の魅力向上への提案など、幅広い提案を求める難易度の高いコンペでしたが、その要望にも見事に応えていただき、様々な提案をプレゼンテーションしていただきました。

 各作品に対し、委員の間でも活発な議論が行われ、今後の安治川水門や地域の検討において、新たな提案や気づきを頂けたと思います。

 本コンペに応募いただいた全ての参加者の皆さまに厚く御礼申し上げます。

(久保田委員長)

※なお、アイデアコンペ応募者の提案書は、後日公式ウェブサイトで公開いたします。

作品011「海の大手門」
川村宣元(川村宣元建築設計事務所)

講評

  • 安治川流域の歴史や文化特性に力点を置いた基本コンセプトを明確に示し、コンセプトに基づく水門や管理棟等のデザイン、各施設の位置関係や機能、構造、仕様の提案が具体的である。水域における船舶と護岸のスケールを関連付ける視点、蔵屋敷船着場を模した川の駅のデザイン等がユニークであり、大胆さと現実性を兼ね備えたランドスケープが地域全体の活性化につながることを期待させる。

(岩田委員)

  • 上下流側の視点を考慮したデザインや夜間照明を利用するなど、細かい工夫が感じられる。流域を現状の性質に照らし合わせて、エリアを分割し、河川の機能を見直していることに共感できる。また、隠れたるスケールという概念を利用した護岸デザインも具体的で秀逸である。

(山上委員)

作品002 「守り、干渉する、すいもん」
チーム名:ULD
桝谷英弥(京都大学大学院 工学研究科 社会基盤工学専攻)、畑喬介(同)、渡瀬遣太(同)、毛利祐輝(同)

講評

  • コンペの対象地区を越えて広域を視野に入れた上での提案が、お見事。空間的な広がりだけではなく、過去の歴史から未来への、時間的な視野の広さも素晴らしい。水門のデザインでは、避難場所としての水門というアイデアが興味深く、水門操作室の内部や、管理施設の提案も、災害時の実用性と、日常の楽しみ方が、よく考えられている。

(重山委員)

  • 水門を中心に波紋が広がるような流線形のデザインが地域に統一感と伸びやかさを与えており、エリアのイメージを刷新する力を持っている。水門のランドマークとしての存在感だけでは無く、視点場としての魅力も高められており、水門を地域の魅力づくりや持続可能なまちづくりの中心施設としてとらえるスタンスが高く評価できる。

(武田委員)

作品004 「帰ってきた「まちみなと」 Benten Biennale」
チーム名:NE-2
水野裕介(大日本コンサルタント株式会社)、近藤美沙希(同)、坂元泰平(同)

講評

  • 四半円形のガイドアーチに沿わせるケーブルを設けることにより、水門の頭部を軽い印象にしているのが特徴的。エリアを3つに分け、それぞれの特徴を掲げつつ、整備のロードマップが示されているのも良い。

(澤井委員)

作品007 「NEW GATE ベイエリアと都心部を結ぶ場所」
長谷川夏輝(富山大学 都市デザイン学部 都市・交通デザイン学科)、上埜由美子(同)、王永成(同学科 助教)

講評

  • 水門の上部に遊歩道(展望橋)を設けることで、水門の施設見学や展望エリアとしても配慮されており、コストパフォーマンスにも優れていると考える。

(杉村委員)

作品008 「BENTEN2050」
チーム名:ユーレイブール
小林諒(佐藤総合計画 / yuureibool)、宇田川剛(同)、田中達大(トライコーン株式会社 / yuureibool)
木下翔太(ケーティーマシナリー株式会社/
yuureibool)

講評

  • 暖簾のような水門デザインの発想や造形がユニークであり、提案のあった作品の中で唯一動画でのプレゼンとなっていた点も評価できる。水門の構造に関して、あと一歩、検討がなされていると、なお良かったと感じる。

(久保田委員)

作品010 「安治川いいであいプロジェクト」提案書
チーム名:安治川げんきプロジェクトチーム
木村昌弘(大阪大学 工学部 非常勤講師)、岡﨑 善久(岡﨑善久建築設計事務所 所長)、
加藤 創一(近畿大学 総合社会学部 総合社会学科 環境・まちづくり系)、河西 茂行(地球デザイン研究所 所長)

講評

  • 治水・維持・景観・利用・気候変動への対応等から総合的な比較検討を行い、水門形式を提案している点が優れている。現水門を残し、津波・高潮ステーションと一体的に運用し、防災教育等を行う点なども魅力的に感じる。

(澤井委員)

※なお、アイデアコンペ応募者の提案書は、後日公式ウェブサイトで公開いたします。